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証拠の要件を満たす

科学においては、研究者が誰であっても、彼らの資格が何であっても、立証できる証拠という要件を満たさなければならない。ノーベル賞受賞者でさえ、経験から割り出した推測を根拠に、科学的結論を導くことは許されない(もちろん推測したり仮説をたてることは自由だが、そういう推測も検証されなければ、証拠としては受け入れられない)。こういう厳格な基準を設けることには理由がある。あらゆる分野においてと同様、科学においても、正当と認められない結論に一足跳びに達してしまったのか、単に間違いをおかしたのか知るのはむずかしい。非常に成功した科学者は、たぶん初心者よりもずっとそういう傾向があるのだが、多少なりとも自分は絶対正しいと信じるようになる。以前、ある著名な年輩の科学者がNEJMに論文を提出した時のことだ。その論文にもっとデータが必要だと私か言うと、彼はそれ以上は必要はないと強硬に言い張った。その時に思い出したのだが、彼はその論文のテーマである病気の発見者だった。だから、彼には自分の結論が正しいと分かっていた。彼はまさしくその病気の発見者だったが、地位の高さとか専門的知識があるという理由で、結論を裏付けるのに必要なデータの作成が免除されるものではない。科学的な手順に厳密に固執すること、特に証拠の要件を満たすことが、そういった科学者を、(そして私達を)救う。
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