私は自分の子どもが産まれたときに出産内祝いというものを知り合いに贈ったことがあったのですけど、この習慣について実はよく知らず、親に聞いて行なったということがありました。私としてはお祝いをもらったのにお返しをするというのはなんだかおかしな感じがしたのですけど、これは昔のムラ社会において、ひとつの共同体の中ではお祝い事などの喜びも分かち合うということがいたって自然なことになっていたといわれていましたから、こういう習慣が受け継がれていったのではないかと考えられるのです。現在は出産内祝いといってもお祝いをくれた人へのお返しという意味合いのほうが強くなりましたし、人間関係の仕組みというものもだいぶ変わってきたということがありますので、こうした習慣も時代の変化にあわせて形を変えていくというのが自然な流れということがいえそうです。もっとも、その根底にあるのはやはり他人に対して思いやりの心を持つということと、人間関係を大切にする気持ちだと思えるのです。